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コラム

要注意!ネコちゃんに咬まれたら? ‖ 知っておきたい「ネコ咬傷」のお話

みなさま、こんにちは☀️

いつも当クリニックのホームページやブログをご覧いただき、本当にありがとうございます。

季節の変わり目、皆様いかがお過ごしでしょうか🍂

さて、早速ですが、今回のコラムのテーマは、

身近だけど実は怖い「ネコ咬傷(ねここうしょう)」についてです🐈

患者様

え、猫に咬まれるなんて、そんなに大したことないんじゃない?

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実はネコ咬まれたり引っかかれたりした傷は、見た目以上に重い感染症を引き起こす可能性があり、侮れないのです。

今回は、

  1. クリニック周辺のネコちゃん事情🐈
  2. ネコ咬傷に潜む危険⚠️
  3. 飼い猫でも注意が必要!その理由
  4. ネコ咬傷を避けるためにクリニックからのお願い🙇‍♂️
  5. もし咬まれてしまったらどうするか🆘

について、詳しく、そして分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

大切なお話もあるのでちょっとだけ長めですが、ぜひお付き合いください🙇‍♂️

1.ふかさわクリニックの近所にいるネコちゃん事情

ふかさわクリニックがある大崎市古川川端には、地域の方に見守られて暮らしている野良ネコちゃんがいます🐈

皆さんも来院される際、クリニックの駐車場や建物のそばで、ネコちゃんを見かけるかもしれません。

院長も開業準備の間に何度も遭遇しています🧑‍⚕️

この野良猫ちゃんたちは何匹もおりますが、

中には、人に慣れていて物怖じせずに近づいてくる人懐っこいネコちゃんもいるようです。

つぶらな瞳で見つめられると、ついつい

「かわいいなぁ」「何か食べ物をあげようかな…」という気持ちになるのは、よく分かります。

ですが、彼らはあくまで「野良(のら)のネコちゃん」。

私たち人間との間に一定の距離を保って暮らしている動物たちです

この「かわいい」という気持ちからの行動が、思わぬ事故につながってしまうことがあるのです⚠️

2.かわいいだけじゃない!ネコ咬傷に潜む危険

では、なぜネコちゃんに咬まれると危険なのでしょうか。

犬と比べて体の小さなネコちゃんの咬み傷は、一見すると「大したことない」と思いがちです。

実際、皮膚に小さな穴が開いたり、引っかかれて線状の傷ができる程度で、出血も少ないことが多いです。

しかし、この「小さな傷」が、大きな問題の種になるのです🚨

(1) 鋭利な「牙」による傷の特性

ネコちゃんの歯は、非常に鋭利で細いのが特徴です。

この鋭い牙で咬まれると、皮膚の表面は小さくても、その下の筋肉や腱(けん)、関節まで深く、

まるで注射針のように菌を植え付けてしまうことがあります😨

動物の中でも、よくペットとして飼われている犬と比較すると

  • 犬の咬み傷:歯が丸いため、皮膚が大きく裂けることが多い。傷口が大きいので、菌が外に出やすく、洗いやすい。
  • ネコの咬み傷:歯が鋭いため、深い「穴」になることが多い。皮膚の表面がすぐに閉じやすく、菌が奥深くに閉じ込められてしまう。酸素が届きにくいため、嫌気性菌(酸素を嫌う菌)が増殖しやすい。

この「傷口が小さく、奥が深い」という特性が、細菌感染を重症化させやすい最大の理由です🦠

(2) お口の中にいる「常在菌」の脅威

ネコちゃんの口の中には、私たち人間と同じように、たくさんの種類の細菌(ばい菌)が住んでいます。

これらはネコちゃんにとってはごく「普通にいる菌」ですが、人間の体に入ると厄介な病原菌となります。

その中でも特に有名なのが、パスツレラ菌です🦠

咬まれたり、なめられたりした傷から菌が侵入すると、

数時間から数日のうちに、傷口の周りが赤く腫れ上がり強い痛みを伴います。これが進行すると、

  • 蜂窩織炎(ほうかしきえん):皮膚の下の組織に炎症が広がる。
  • 腱鞘炎(けんしょうえん)や関節炎:深い部分まで炎症が及び、手の動きが悪くなる。

特に免疫力が低下している方(高齢者、糖尿病の方、抗がん剤治療中の方など)では、

菌が血液に入り込み、敗血症はいけつしょう)や髄膜炎(ずいまくえん)といった、

命に関わる重篤な全身感染症を引き起こすことがあります。

(3) 手や指の咬み傷は特に危険!

ネコに咬まれる場所で一番多いのは、手や指です🖐️

ネコちゃんを撫でようとして咬まれたり、エサを与えようとして咬まれたりすることが多いためです。

手や指は、皮膚の下に腱や関節が非常に近接して存在しています。

そのため、ネコの牙が到達しやすく、細菌感染が腱や関節に及ぶと、

その後の手の機能に重大な障害を残すリスクが高くなります⚠️

3.飼いネコちゃんでも油断は禁物⚠️

「うちのネコちゃんは、ワクチンも打っているし、ずっと家の中にいるから大丈夫!」

そう思われるかもしれません。

もちろん、衛生管理された環境で暮らしている飼いネコちゃんの方が、

野良ネコちゃんよりも感染症のリスクは低いと考えられます🏠

しかし、残念ながら、飼いネコちゃんに咬まれた場合でも、感染のリスクはゼロにはなりません

  • 口の中の常在菌:パスツレラ菌などの菌は、飼いネコちゃんの口の中にも普通にいます。これは、ネコちゃんが病気ということではありません。
  • 遊びの最中の事故:ネコちゃんと夢中で遊んでいるとき、興奮して誤って咬んでしまったり、甘噛みが本気咬みになってしまうことがあります。特に子猫は遊びの中で咬むことを覚えます。

どんなに可愛がっているネコちゃんでも、咬まれたり引っかかれたりした場合は、

野良ネコちゃんの場合と同様に、すぐに適切な処置が必要だと心得ておいてください❤️‍🩹

4.被害を避けるために!クリニック敷地内でのご協力のお願い

さて、ふかさわクリニックから、皆様に切にお願いしたいことがあります🙇‍♂️

それは、クリニックの敷地内でネコちゃんを見かけても、絶対に近づいたり、食べ物を与えたりしないでほしいということです。

(1) 危険を避けるために

ふだん人慣れしているネコちゃんであっても、

体調や機嫌によっては、急に防御反応として咬みついたり引っかいたりすることがあります⚡️

特に、食べ物を与えようとすると、ネコ同士の競争心や興奮が働き、思わぬ事故につながる危険性が高まります

また、ネコちゃんに餌付けをすると、彼らがその場所を「餌場」と認識し、定着してしまいます。

そうすると、ネコちゃんのフン尿などによる衛生的な問題や、患者様同士のトラブルの原因にもなりかねません💥

患者様、来院者様の安全が、私たちにとって最も大切なことです。

どうか、ご理解とご協力をお願いいたします🙇‍♂️

クリニックの敷地内でネコちゃんを見かけたら、遠くからそっと見守ってあげてくださいね👀

(2) 医師への正確な情報提供のために

万が一、ネコ咬傷が発生してしまった場合、

  • いつ(時間)
  • どこで(場所)
  • どんな状況で(野良か飼いネコか、何をしようとしたか)
  • 体のどこを(咬まれた部位)

を、正確に把握することが、私たち医療者側が迅速かつ適切な処置を行う上で非常に重要になります🏥

突然のことだとどうしても慌ててしまうかもしれませんが、

メモなどに残しておきながらどうか落ち着いてお伝えくださいますと助かります。

5.もし咬まれてしまったら?(緊急処置と受診の目安)

万が一、ネコちゃんに咬まれたり引っかかれたりしてしまった場合は、

冷静になって、以下の手順で迅速に対応してください。

【その場での緊急処置】

  1. すぐに水で洗い流す! とにかく一番大切なのは、傷口に入り込んだ菌を外に出すことです。 傷口を流水(水道水でOK)で最低10分間しっかりと洗い流してください。石鹸を使っても構いませんが、ゴシゴシ擦る必要はありません。 ※止血よりも、洗い流すことを優先してください。
  2. 消毒はしなくても良い 消毒液は、傷の奥深くに入り込んだ菌には効きにくく、むしろ傷口の組織を傷める可能性があります。水で十分に洗うことの方が大切です。
  3. 清潔なガーゼで保護 洗い終わったら、清潔なガーゼや絆創膏で傷口を覆い、すぐに医療機関を受診する準備をしてください。決して密閉する必要はないので、覆う程度で結構です。

【医療機関を受診する目安】

ネコ咬傷は「そのうち治るだろう」と自己判断せず、できるだけ早医療機関を受診することが強く推奨されます。特に以下の場合は、すぐに受診してください。

  • 傷口が深い、出血が多い場合
  • 咬まれたのが手や指、関節に近い部分の場合
  • 数時間以内に、傷口の周りが赤く腫れてきたり、ズキズキと強い痛みが出てきた場合
  • 発熱や、リンパ節の腫れなど、全身の症状がある場合
  • 糖尿病などの持病がある方、免疫力が低下している方

ふかさわクリニックでは、このような動物による咬傷・創傷(そうしょう:傷のこと)に対して以下のように対応します。傷の深さや状況を診察し、必要に応じて、

  • 傷口の徹底的な洗浄(デブリードマン)
  • 抗生物質(化膿止め)の処方(菌の増殖を抑えるお薬)

などを行います。

特に、感染のリスクが高いと判断した場合は、予防的な抗生物質の服用をお願いすることが多いです。

場合によっては破傷風ワクチン接種が望ましいのですが、当院には現在定期在庫がないためすぐの対応が困難です。

そのため必要に応じて他の医療機関へ紹介をする場合がございます

6.まとめ

今回のコラムでは、「かわいい」の裏側に潜むネコ咬傷の危険性についてお話しさせていただきました。

当クリニックをご利用いただく全ての患者様が、

安全で快適に治療を受けられるよう、引き続き環境整備に努めてまいります🙇‍♀️

そして、繰り返しますが、クリニック敷地内でネコちゃんに遭遇されても、

どうか触れない、餌を与えない」を徹底していただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

もし、ご自身やご家族が動物に咬まれてしまった、または引っかかれてしまったということがありましたら、

こんな小さな傷で…」と遠慮せず、いつでもふかさわクリニックにご相談ください。

皆様の健康と安全を第一に、誠心誠意サポートさせていただきます。


当クリニックのブログでは、これからも当院に関する情報はもちろんのこと、

地域医療や健康に関する様々な情報を、分かりやすく・親しみやすい形でお届けしていきたいと思っております📨

今後とも、ふかさわクリニックをどうぞよろしくお願いいたします☺️

文責:深澤優輝子

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