みなさま、こんにちは☀️
いつも当クリニックのホームページやブログをご覧いただき、
季節の変わり目、
さて、早速ですが、今回のコラムのテーマは、
え、猫に咬まれるなんて、そんなに大したことないんじゃない?
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、
今回は、
について、詳しく、
大切なお話もあるのでちょっとだけ長めですが、ぜひお付き合いください🙇♂️
1.ふかさわクリニックの近所にいるネコちゃん事情
ふかさわクリニックがある大崎市古川川端には、
皆さんも来院される際、クリニックの駐車場や建物のそばで、ネコちゃんを見かけるかもしれません。
院長も開業準備の間に何度も遭遇しています🧑⚕️
この野良猫ちゃんたちは何匹もおりますが、
中には、
つぶらな瞳で見つめられると、ついつい
「かわいいなぁ」「
ですが、彼らはあくまで「野良(のら)のネコちゃん」。
この「かわいい」という気持ちからの行動が、
2.かわいいだけじゃない!ネコ咬傷に潜む危険
では、なぜネコちゃんに咬まれると危険なのでしょうか。
犬と比べて体の小さなネコちゃんの咬み傷は、一見すると「
実際、皮膚に小さな穴が開いたり、
しかし、この「小さな傷」が、大きな問題の種になるのです🚨
(1) 鋭利な「牙」による傷の特性
ネコちゃんの歯は、非常に鋭利で細いのが特徴です。
この鋭い牙で咬まれると、皮膚の表面は小さくても、
動物の中でも、よくペットとして飼われている犬と比較すると
- 犬の咬み傷:歯が丸いため、皮膚が大きく裂けることが多い。
傷口が大きいので、菌が外に出やすく、洗いやすい。 - ネコの咬み傷:歯が鋭いため、深い「穴」になることが多い。
皮膚の表面がすぐに閉じやすく、菌が奥深くに閉じ込められてしまう。酸素が届きにくいため、 嫌気性菌(酸素を嫌う菌)が増殖しやすい。
この「傷口が小さく、奥が深い」という特性が、
(2) お口の中にいる「常在菌」の脅威
ネコちゃんの口の中には、私たち人間と同じように、
その中でも特に有名なのが、パスツレラ菌です🦠
咬まれたり、なめられたりした傷から菌が侵入すると、
- 蜂窩織炎(ほうかしきえん):皮膚の下の組織に炎症が広がる。
- 腱鞘炎(けんしょうえん)や関節炎:深い部分まで炎症が及び、
手の動きが悪くなる。
特に免疫力が低下している方(高齢者、糖尿病の方、
菌が血液に入り込み、敗血症(
(3) 手や指の咬み傷は特に危険!
ネコに咬まれる場所で一番多いのは、手や指です🖐️
ネコちゃんを撫でようとして咬まれたり、
手や指は、皮膚の下に腱や関節が非常に近接して存在しています。
その後の手の機能に重大な障害を残すリスクが高くなります⚠️
3.飼いネコちゃんでも油断は禁物⚠️
「うちのネコちゃんは、ワクチンも打っているし、ずっと家の中にいるから大丈夫!」
そう思われるかもしれません。
もちろん、衛生管理された環境で暮らしている飼いネコちゃんの方
野良ネコちゃんよりも感染症のリスクは低いと考えられます🏠
しかし、残念ながら、飼いネコちゃんに咬まれた場合でも、
- 口の中の常在菌:パスツレラ菌などの菌は、
飼いネコちゃんの口の中にも普通にいます。これは、 ネコちゃんが病気ということではありません。 - 遊びの最中の事故:ネコちゃんと夢中で遊んでいるとき、
興奮して誤って咬んでしまったり、 甘噛みが本気咬みになってしまうことがあります。 特に子猫は遊びの中で咬むことを覚えます。
どんなに可愛がっているネコちゃんでも、
野良ネコちゃんの場合と同
4.被害を避けるために!クリニック敷地内でのご協力のお願い
さて、ふかさわクリニックから、
それは、クリニックの敷地内でネコちゃんを見かけても、
(1) 危険を避けるために
ふだん人慣れしているネコちゃんであっても、
体調や機嫌によっては、
特に、食べ物を与えようとすると、
また、ネコちゃんに餌付けをすると、彼らがその場所を「餌場」
そうすると、ネコちゃんのフン尿などによる衛生的な問題や、
患者様、来院者様の安全が、私たちにとって最も大切なことです。
クリニックの敷地内でネコちゃんを見かけたら、遠くからそっと見
(2) 医師への正確な情報提供のために
万が一、ネコ咬傷が発生してしまった場合、
- いつ(時間)
- どこで(場所)
- どんな状況で(野良か飼いネコか、何をしようとしたか)
- 体のどこを(咬まれた部位)
を、正確に把握することが、
突然のことだとどうしても慌ててしまうかもしれませんが、
5.もし咬まれてしまったら?( 緊急処置と受診の目安)
万が一、
【その場での緊急処置】
- すぐに水で洗い流す! とにかく一番大切なのは、
傷口に入り込んだ菌を外に出すことです。 傷口を流水(水道水でOK)で最低10分間、 しっかりと洗い流してください。石鹸を使っても構いませんが、 ゴシゴシ擦る必要はありません。 ※止血よりも、洗い流すことを優先してください。 - 消毒はしなくても良い 消毒液は、
傷の奥深くに入り込んだ菌には効きにくく、 むしろ傷口の組織を傷める可能性があります。 水で十分に洗うことの方が大切です。 - 清潔なガーゼで保護 洗い終わったら、
清潔なガーゼや絆創膏で傷口を覆い、 すぐに医療機関を受診する準備をしてください。決して密閉する必要はないので、覆う程度で結構です。
【医療機関を受診する目安】
ネコ咬傷は「そのうち治るだろう」と自己判断せず、できるだけ早
- 傷口が深い、出血が多い場合
- 咬まれたのが手や指、関節に近い部分の場合
- 数時間以内に、傷口の周りが赤く腫れてきたり、
ズキズキと強い痛みが出てきた場合 - 発熱や、リンパ節の腫れなど、全身の症状がある場合
- 糖尿病などの持病がある方、免疫力が低下している方
ふかさわクリニックでは、このような動物による咬傷・創傷(
- 傷口の徹底的な洗浄(デブリードマン)
- 抗生物質(化膿止め)の処方(菌の増殖を抑えるお薬)
などを行います。
特に、感染のリスクが高いと判断した場合は、
場合によっては破傷風ワクチン接種が望ましいのですが、
そのため必要に応じて他の医療機関へ紹介をする場合がございます
6.まとめ
今回のコラムでは、「かわいい」
当クリニックをご利用いただく全ての患者様が、
そして、繰り返しますが、
どうか「
もし、ご自身やご家族が動物に咬まれてしまった、
「
当クリニックのブログでは、
今後とも、
文責:深澤優輝子
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